「加工でんぷん」って危険なの??

加工でんぷんって危険なの? ブログ

管理栄養士、分子栄養カウンセラーのそのべひろみです。

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こどものお菓子や様々な加工食品の表示に、「加工でんぷん」と書かれているのをみたことがある人も多いのではないでしょうか。

「でんぷん」と書かれていると、なんだか安心していたのは私だけではないはず(笑)

加工でんぷんとはなんだ!?危ないのか!?

ということで、調べてみたのでお伝えしていきたいと思います。

加工でんぷんは「まとめ」表示だった・・・

加工でんぷんは、米、じゃがいも、小麦、トウモロコシなどの天然のでんぷんに以下の様々な化学薬品を混ぜて作られたでんぷんのことです。

  • アセチル化リン酸架橋デンプン
  • アセチル化アジピン酸架橋デンプン
  • アセチル化酸化デンプン
  • オクテニルコハク酸デンプンナトリウム
  • 酢酸デンプン
  • 酸化デンプン
  • ヒドロキシプロピルデンプン
  • ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン
  • リン酸化デンプン
  • リン酸架橋デンプン
  • リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン
  • デンプングルコール酸ナトリウム

え、なにそれめっちゃやばそう、、

って感じですよね(汗

一応表示してね、ということにはなっているらしいのですが、義務ではないため上記はまとめて「加工でんぷん」「加工デンプン」「加工澱粉」「加工でん粉」等の記載になっていることがほとんどです。

ちなみに、天然でんぷんであれば、「でんぷん」「澱粉」「でん粉」等の表示がされています。

何のために使われているのか

加工でんぷんは、以下のような食品によく使われています。

  • 冷凍うどん、冷凍パスタなど
  • 食パン、菓子パン
  • ケーキ、クッキーなど
  • プリンなど
  • ちくわ、かまぼこ、魚肉ソーセージなどの水産練り製品
  • から揚げ、トンカツなどのフライ食品の衣
  • ソース
  • ドレッシング
  • タレ

上記に書いたなんちゃらかんちゃらデンプン〜は、それぞれの特徴があって用途によって使われているようです。

酢酸デンプンやヒドロキシプロピル化デンプン

冷凍・解凍の際、でんぷんの急激な老化を防ぐ為に冷凍耐性・老化防止に優れる。
冷凍食品、インスタント食品、チルド食品に使われる。

アセチル化架橋デンプンやヒドロキシプロピル化架橋デンプン

モチモチ、ふわふわの食感を出し、それを維持するために小麦デンプンの糊化度を高める。また劣化度を低くする。

パンやケーキ、お菓子に使われる。

リン酸架橋デンプン

弾力性を持たせる。

ちくわやかまぼこ、魚肉ソーセージなどに使われる。

酸化デンプン

サクサクとした食感を出す。

フライの衣に使われる。

リン酸架橋デンプン

とろみや粘り気を高める。

ソースやタレ、ドレッシングなど。

オクテニルコハク酸デンプンナトリウム

水と油を均一に混ざりやすくするため(乳化剤)に使われる。

で、加工でんぷんは危険なのか?

でんぷんに加える化学薬品の量は、特に決められてはいないとのこと。

一応安全性が確認されているはずですが、化学的なものの量に規定がないなんて恐ろしいな〜

更にどんな食品に利用してもOKとのこと。。

厚労省の報告書に以下が書いてありました。

(簡単な文に要約してます)

EU では、加工デンプンのうち9種類について、ラットの実験で腎臓に影響があるとして、乳幼児向け食品に対し、5%の使用制限を設けている。
→が、日本では根拠が乏しいことと日本人はそんなに加工デンプン摂取していないので、基準は設けない。
また、EUで発がん性の危険性があるプロピレンオキシドをエーテル化剤として用いる、「ヒドロキシプロピルデンプン(※1)」「ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン(※2)」を乳幼児用のミルクやベビーフードなどに用いることを禁止している。

(※1:冷凍食品、インスタント食品、チルド食品によく使われているもの)
(※2:パンやケーキ、お菓子によく使われているもの)

日本人の推定摂取量は、毒性のある量をかなり下回っているので禁止にはしない。ただ、乳幼児用の食品に関しては留意していくべき(経過観察的な)。

・・・

基準を決めるのは、やはり推定摂取量を考慮しながら決めていくことなので、個人に焦点を合わせるとめっちゃ加工デンプン摂ってしまっているような人は注意していかないといけないことがわかります。

国が悪いのではなくね。

基準だけしか知らないと、リスクが高くなる危険性があるのです。

基準の決め方を知っておくってすごく大事ですね。

解毒できる体が大切

あと、分子栄養学をやっている身としてはすんごく気になった一文!

生体組織に吸収されたプロピレンオキシドは、グルタチオン抱合や加水分解
により代謝、解毒されるとされており、そのリスクは極めて低いと考えられた

グルタチオン抱合〜!加水分解〜!

実践講座を受けている方なら耳タコな解毒のワード。

解毒するための栄養素が足りていなかったり、

栄養状態・たんぱく代謝等々がうまくまわっていない方は、添加物の毒素を解毒できない可能性があるんですね。

なので、同じ添加物を摂ったって、ちゃんと解毒できる人とできない人がいる。

国での基準「健康な人」なので、解毒できる前提で添加物の基準がされているんだろうなぁと思うんです。

赤ちゃんやこどもは、まだ臓器が未熟なので、解毒機能も低いことは誰しもわかると思います。

「リン酸」とついているものはミネラル不足に

もう一つ、書いておきたいのが「リン酸」とついているもののこと。

リン酸塩は、身体には基本的に無毒なのですが、身体に必要な様々なミネラル成分を吸着して排泄してしまうという働きがあります。

そのため、どの加工デンプンを使っているかはわかりませんが、「リン酸〜デンプン」だった場合、ミネラル不足の可能性があります。

ミネラルとは、鉄・亜鉛・カルシウム・マグネシウム・カリウムなどをはじめ、マンガンやバナジウムなど微量ミネラルも、です。

加工デンプンはできれば避けたい(特にこども)

ということで、長々とまとめてきましたが、「加工デンプン」というものは、できるだけ摂らないことができるならば摂りたくないものだということがわかりました。

毎日加工デンプンの入っているお菓子食べてたり、冷食をお弁当に入れてたり、うどんを食べてたり・・ということでなければそこまで神経質になることはないかもしれませんが・・・!

(避けすぎてストレス溜めてたら本末転倒😂)

特に、解毒機能の低いお子さんに関しては、毎日摂ることがないように注意してあげると良いと思います。

サクサク〜ふわふわ〜モチモチ〜すぎる食感は、加工デンプンのおかげかもしれません。

投稿者プロフィール

そのべひろみ.
そのべひろみ.
管理栄養士/PNTトレーナー/臨床分子栄養医学カウンセラー
病院栄養士、陸上実業団専属栄養士を経て独立。二児の母。

難しい栄養学を「誰もが腑に落ちる栄養学」にしてお伝えしています。
分子栄養.コンディショナー養成講座主宰。
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