管理栄養士のそのべひろみです。
こどもの成長と亜鉛についてお話していきます。
亜鉛は、体内の200種類以上との酵素との関わりがあり、もうお仕事が多岐に渡りすぎる栄養素です。
何してんのかって、一言じゃ表せないやつ。
亜鉛は、鉄・マグネシウムと共に、栄養療法では非常に重要な三大ミネラルといっても過言ではない(勝手に)です。
特にこどもにフォーカスして、亜鉛をみていきたいと思います。
鉄分はお母さんから移行して、6ヶ月くらいまではお母さんからもらった鉄を使って赤ちゃんは成長していきます。
ですが、亜鉛は母体から胎児に移行しづらいとのこと。
そのため、生まれてきた赤ちゃんは、母乳から亜鉛を摂取します。
どっちにしろ、お母さんからもらうことはかわりないのですが。
母体が栄養不足(特にここでは鉄・亜鉛)の場合は、ミルクを併用することで乳児湿疹がよくなるというケースもあります。
完全母乳にこだわりすぎて、疲弊しちゃっているお母さん、ミルク使っていいですよ〜!と言ってあげたい。
母乳にこだわるお母さんのための質の良いミルクの選び方ブログも書きますので、お待ちくださいませ。(まさにわたしがそのお母さんでした。笑)
細胞分裂=亜鉛が必要
亜鉛は、
①細胞分裂が盛んな時
②細胞分裂が盛んな場所
で必要量がアップします。
①細胞分裂が盛んな時→成長、妊娠中、授乳中
②細胞分裂が盛んな場所→病気の回復時、ケガや手術の治癒時
乳児期の成長のスピードは半端ないですよね・・・。
かなり多くの亜鉛が使われているはずです。
乳児期を過ぎても、こどものうちはずっと色々なところが成長し続けていますね。
また、妊娠中も胎児は細胞分裂を繰り返して大きくなっています。
亜鉛は、細胞分裂以外にも使われているので、需用量が半端ないことは伝わるでしょうか。
成長痛も亜鉛不足
なんと、成長痛は栄養不足のサインだったんです。
亜鉛、鉄、タンパク質、ビタミンCなどの欠乏を疑いましょう。
わたしは身長150cmないのですが、ちなみに成長痛は感じたことがありません!
(単にそこまで細胞分裂してなかっただけか・・・悲)
3歳までに決まる味覚と食の価値観には味覚の育て方について詳しく書きましたが
実は亜鉛不足は味覚オンチにもつながってしまうのです。
食に興味がなくて、ほとんど食べてくれないといった悩みをもつお母さんからの相談はとても多いです。
もしかしたら亜鉛不足もあるかもしれません。
そういう子は胃腸の状態もあまりよくないことが多いため、無理してたくさん食べさせることよりも、栄養価の高いものを少しでも食べられるように工夫していくことが大切です。
何よりおすすめなのは、煮干し粉。
ほんの少しでもいいので、食べられるものにそうっと入れておいて毎日必ず食べさせたり、
みそ汁などのスープが飲めるなら、そこに入れて粉ごと飲むのがおすすめ。
うちでは、離乳食に煮干し粉を加えたりしてあげています。
貝類も亜鉛摂取に良いので、あさりやしじみのみそ汁は最低でも週に1回は出すようにしています。
免疫強化がまだまだ言われる時ですね!
冬に向けて今から亜鉛を補給しておくのはいかがでしょうか。
亜鉛不足は、わかりやすく爪に出ます。
みなさんも白い斑点が爪にあった経験があるのではないでしょうか。
爪は、代謝が早く数ヶ月で新しくなります。
爪が作られる時に、亜鉛不足で分化がうまくいかないと爪に空気が入ってしまい、白い斑点ができます。
赤ちゃんでもできることがあるので、チェックしてみてください。
亜鉛の血液検査の指標は、ALPと血清亜鉛があります。
血清亜鉛は測る機会は少ないかもしれませんが、ALPは通常の健康診断でも測定する値です。
ただし、ALPは骨代謝が盛んな成長期に上昇しますが、亜鉛やマグネシウム不足があると低下します。
これらが両方合わさると、ちょうど良い値になることもあるため、ALPだけで一概に亜鉛の過不足を判断することはできません。
食事内容や状態を考慮した上で、あくまでも推測できる数値、と認識していただければと思います。
あとは、銅とのバランスも大切です。
ここで、銅を一緒に!と声を大にして言っていないのは、銅は亜鉛に比べると不足する人が少ないからです。
銅はカカオの成分にも割と多く含まれているため、チョコレートを多く食べている人は不足していないことが多く。
そして、女性ホルモンのエストロゲンによって、血清銅は上昇するため、妊婦さんは特に銅過剰、亜鉛不足に陥りがちです。
一番は、血液検査をして、バランスをみながらサプリメント摂取していくのが良いですね!
亜鉛は最初にお伝えしたように、体内の様々な酵素反応に関わっているため、不足するとわかりやすく体調に不具合が生じてきます。
亜鉛だけが原因とは限りませんが、上記のような症状で当てはまる項目が多い方は亜鉛不足を疑ったほうがよいかもしれません。
産後・育児中のママさんをケアしていると、ほとんどの人が亜鉛不足です泣
亜鉛が豊富な食べ物
亜鉛が豊富といえば、牡蠣です。
ですが、牡蠣は季節ものですし(オイスターバーに行けば年中食べられるけど)、小さいお子さんにはあげにくいですよね。
そこでわたしは、煮干しをオススメしています。
- 煮干し・あごだしなど、丸ごとの魚からとれるお出汁を活用すること
- 煮干し粉をみそ汁やふりかけにして煮干しそのものを食べる(離乳食、特に胃腸の弱い子にオススメ)
- 煮干し自体が食べられる年齢になったら、煮干しをおやつにする
それから、貝類の補給です。
牡蠣は難しくても、あさりやしじみなら取り入れやすいですよね。
あさりやしじみのお味噌汁をどちらか最低でも週に1回入れるようにすると良いでしょう。
それからやっぱり、レバーも亜鉛は豊富です。
そのほかに、牛肉(焼肉行きましょう)、高野豆腐、まいたけにも多く含まれます。
日頃から、意識して取り入れてみるとよいですね◎
こどもに使っている亜鉛のサプリ
亜鉛は時間によって体内の濃度が変わってきます。
午前中にもっとも高くなるのですが、その時間にサプリメントも補給してあげると良いです。
となると、朝ごはんまたは午前中のおやつの時間がおすすめ。
以下、わたしが使っているサプリをご紹介します。ご参考にしてみてください。
◎液体の亜鉛サプリです。
水に溶かして飲むと、少し鉄っぽい味がするので、みそ汁やカレーなどに加えています。
離乳食にも入れていました。
ちなみに、大人ももちろん使えます。
あまり多く食べられない(食が細い)、胃腸が弱い、多く食べるとお腹が張ってしまう、などの消化に問題がある人には特にオススメです。
妊婦さんにもオススメ。
液体なので、より吸収が良いです。
スポイト式になっているので、ぎゅっとにぎって吸い取った量が、15滴相当です。
裏に書いてある表示は、30滴で7.5mgの亜鉛ですので、お子さんでも2スポイト(30滴)とれると良いと思います。
大人には少なめなので、明らかに亜鉛不足がある人は、タブレットのものと併用するのが良いかなと。
◎飴タイプの亜鉛サプリ
普通の飴です(笑)
1粒あたり5mgのグルコン酸亜鉛が入っています。
甘みは玄米シロップ。
そのほかにもベリーなどのフィトケミカルが入っています。
安心してなめさせられる飴なので、甘いもの好きの長女(4)は「特別だね〜!」といって喜びます(笑)
こちらは飴なので、飴がなめられない小さいお子さんにはNGです。
ほかの味もあるみたいなので、試してみてぜひどうだったか教えてください♩
大人のサプリはこちら
亜鉛のサプリは、鉄と一緒で胃腸障害が起きることがあります。
空腹で飲むと、胃がムカムカするなど。
わたしが使っているカルノシン亜鉛は、その胃腸障害が起こらないので安心です。
含有量が少なめなので、不足の度合いによっては数を増やして飲む必要があります。
亜鉛も鉄も、それだけを補給するだけでなく、食事でしっかりエネルギー(糖、脂質)とタンパク質をとって、それを吸収できる身体でいることが大前提で大切です。
サプリをとっているから安心、とならないようにしてくださいね。
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投稿者プロフィール
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管理栄養士/PNTトレーナー/臨床分子栄養医学カウンセラー
病院栄養士、陸上実業団専属栄養士を経て独立。二児の母。
難しい栄養学を「誰もが腑に落ちる栄養学」にしてお伝えしています。
分子栄養.コンディショナー養成講座主宰。
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